Arduino を使った開発のために、まずは Arduino IDE (統合開発環境)をインストールしましょう。これは PC 上で Arduino 上で動作するソフトウエアを開発するための環境です。ソースコードを編集するエディタ、ソースコードを実行形式に変換するコンパイラ、実行型式となったプログラムを Arduino へかき込む機能、USB ケーブルを経由して Arduino との通信が可能なシリアルモニタなどがセットになっています。
IDE本体のダウンロードとインストール
ダウンロード
Arduino IDE は、Arduinoプロジェクト公式サイトからダウンロードすることができます(ダウンロードページはこちら)。
2023年8月25日現在、配布されている Arduino IDE のバージョンは 2.1.1 です。ダウンロードファイルは Windows用・Linux用・MacOS 用が用意されています。また Windows用には exe型式の 64bit版インストーラ、MSI型式の Windows標準インストーラ、ZIP型式の(実行形式ではない)アーカイブファイルの 3種類の型式でファイルが用意されています。Linux用、MacOS用にもそれぞれ2種類の型式のファイルが用意されていますので、自分の使いやすいものを選んでダウンロードして下さい。
ダウンロードする直前に寄附を求めるページが表示されます。
寄附をしてもいいと思う人は『 CONTRIBUTE&DOWNLOAD 』
とりあえずすぐにダウンロードしたい人は『 JUST DOWNLOAD 』
をクリックして下さい。
ここでは、IDE2.1.1 Windows用 64bit版 exe型式のファイルをダウンロードした物として、以降の手順を紹介します。バージョンが異なると途中の画面構成が違う可能性があります。
インストール
インストーラの起動
今回ダウンロードしたのは、arduino-ide_2.1.1_Windows_64bit.exe というインストーラです。実行形式ファイルなので、ダウンロードが完了したファイルをダブルクリックして起動します。
このインストーラは、セットアップウィザード(順次画面が切り替わりながら対話的に作業を進めていく)型式になっています。
ライセンス契約書
『ライセンス契約書』画面が表示されるので、ひととおり読んでから(英文ですが)『同意する』をクリックします。
契約書には大まかに『プログラムは現状のままで提供され、その機能が目的に合ったものか、また使用した結果なにか損害が生じても一切当社は責任をもたない』というようなことが書かれています。
※当然、この端折った訳を鵜呑みにした結果いかなる損害が生じても当方は一切責任を負いませんので、各自でちゃんと英文を読みましょう
インストールオプションの選択
『インストールオプションの選択』画面が表示されます。通常はデフォルトの『現在のユーザーのみにインストールする』でよいと思いますが、1台の PC を複数ユーザーで共用していて、Arduino IDE も共用したい場合には上の『このコンピュータを使用しているすべてのユーザ用にインストールする』を選びます。
『次へ』をクリックします。
インストール先の選択
『インストール先を選んで下さい』画面が表示されます。デフォルトではCドライブの各ユーザのフォルダ下( C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Programs\Arduino IDE )にインストールするようです。
デフォルト以外の場所にインストールしたい場合は、下の『デフォルト以外の場所にインストールする場合』を参考にして、インストール先を変更して下さい。上の例では D:\Programs\ArduinoIDE に変更しています。
インストール先が決まったら、『インストール』をクリックします。
デフォルト以外の場所にインストールする場合
別の場所にインストールしたい場合は、『参照』をクリックします。
フォルダーの参照画面が表示されるので、ここでインストール先のフォルダを選択します。ここでは D:\Programs\ArduinoIDE というフォルダを新しく作成して、そこにインストールすることにしました。
選択したら『OK』をクリックします。
インストール
インストール(ファイルのコピーなど)が開始されます。進捗状況はプログレスバー(緑色の部分)によって示されています。完了(プログレスバーが一番右に達する)まで数分かかりますので、それまでしばらく待ちます。
セットアップ完了
『 Arduino IDE セットアップウィザードは完了しました』という画面が表示されれば終了です。
デフォルトで『 Arduino IDE を実行』にチェックが入っていますが、このままだとインストーラ終了後に自動的に Arduino IDE が起動します。不要の場合はチェックを外しておきます。
『完了』ボタンをクリックしてインストーラを終了して下さい。
初回起動
では、Arduino IDE を起動してみましょう。セットアップウィザードから続けて作業するのでも、後日改めで起動するのでも構いません。
セキュリティ警告
初回起動時、このようなセキュリティ警告画面がいくつか表示されることがありますので、『アクセスを許可する』をクリックします。
このように Arduino IDE の画面が表示されればOKです。
USBドライバのインストール
ドライバのインストール
Arduino IDE 初回起動時、デバイスソフトウェア(USB ドライバ)をインストールするか尋ねる画面が表示されます。これは PC と Arduino が通信するために必要な物なので『インストール』をクリックしてインストールします。
インストールはほぼ自動的に行われますが、セキュリティ関係の警告が表示された場合は、『はい』『許可』などをクリックして先に進めて下さい。
Arduino の接続とポートの確認
Arduino UNO(またはお手持ちのボード)と PC を USB ケーブルで接続します。
デバイスマネージャを起動して、『ポート(COMとLPT)』の項目を確認します。
『 Arduino UNO(COM○)』という表示があるはずなので(ない場合はドライバを再インストールしてみましょう)、その『 COM○ 』という部分を記録しておきます。
Arduino IDE での使用ポートの設定
Arduino IDE のメニューから、『 Tools 』→『 Port 』と選び、表示されているポート一覧から、さきほどデバイスマネージャで確認した COM ポート(この例では COM3 )を選択します。
使用言語選択
Arduino IDE では、メニューやメッセージに使用される言語を切り替えることができます。デフォルトでは英語になっているので、これを日本語に変更しましょう。
Arduino IDE のメニューより、『 File 』→『 Preferences… 』を選択します。
Preferences 画面が表示されます。『 Language 』のドロップダウンリストから『日本語』(または自分が使用したい言語)を選択します。
『 OK 』ボタンをクリックすると、Arduino IDE が再起動します。このとき、何らかのプログラムが入力された状態だと保存するかどうかの確認ダイアログが表示されますので、必要に応じて保存して下さい。
再起動が完了すると、メニューが日本語化されています。
ボードの選択
Arduino IDE の画面上部にある『ボード選択』と書かれたドロップダウンリストをクリックし、『 Arduino Uno COM3 』(または接続されているボード/ポート)を選択します。
これでプログラムを作る準備が整いました。
アップロードテスト
Arduino IDE は、起動時にプログラム(スケッチといいます)のひな形がすでに入力された状態になっています。今回はセットアップの最終テストとして、このひな形をコンパイルして Arduino にアップロードするテストを行います。
Arduino IDE の上部にある『 → 』(アップロード)ボタンをクリックしてみましょう。
Arduino IDE 画面右下にプログレスバーが表示され、エラーメッセージが表示されずに『コンパイル完了』『書き込み完了』と表示されればOKです。
※このメッセージは数秒で消えてしまうのでよく観ていて下さい
今回はひな形(なんの処理も記述されていない)をそのままコンパイルしたので何も起こりませんが、何らかの処理を記述した場合はすぐにプログラムが動作します。
※新品のArduino UNOを使用している場合、電源投入時から点滅していた基板上の『L』と書かれたLEDの点滅が止まって常時点灯するようになる、という違いがあるかもしれません。
ここまでが上手くいったら、すぐ続けて次の『 Arduino はじめてのスケッチ(プログラム)』をやってみることをオススメします。
まとめ
- Arduino の開発のためには、Arduino IDE を PC にインストールする
- USB ケーブルを通じて、 PC から Arduino にプログラムをかき込むことができる
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